細かなこと このページは、ドイツ語中級以上の方が対象です。


1. 形容詞の格変化について

2. ABM-Maßnahmeはおかしいか?

3. 冠飾句の勉強

4. 受動態

5. 不定詞句

6. 制御

7. Weihnachten について

8. Apposition(同格)について

9. erstere --- letztere について

10. 代名詞には関係代名詞がつくのか

11. 雑誌名の冠詞について

12. in 〜 ankommen について

13. an (対格・与格) klopfen について

14. Kanzlerkandidatin なのか、Kanzlerinkandidatin なのか

15. コンマは正しい? Ich komme Montag, den 2. April, an.

16. 複数形で注意することはありますか?

17. 「50過ぎの人々」」はなんて書くの?


1. 形容詞の格変化について
    

einige schöne Bücher とか、alle schönen Bücher とかは迷うものです。 aller は、教科書では「定冠詞類」になっているので、形容詞は-enになります。 einige は形容詞として見なされているので、-eとなっています。 「定冠詞類」と言うのも不思議な言い方ですが、aller は代名詞的形容詞といわれて、代名詞としても形容詞としても使われます。たとえば、Alle sind da.では代名詞、Alle Studenten sind da. では形容詞、というわけです。ですから、次に来る形容詞の語尾はかなりゆれます。 Die Beteiligung aller interessierter Kreise. などというのもみられるわけです。もしallerが定冠詞として使われるのであれば、interessierten のはずなのですが。


2. ABM-Maßnahmeはおかしいか? 

 ABMのMが既にMaßnahmeなので、繰り返しであることになります。これと同じ用法に、DIN-Normがあります。意味というものはだんだん磨り減っていくものですから、このようなことがおこるわけですが、特に省略語ではその内容が忘れられるので、かなり磨り減っていくことがおこります。同じことは、外来語でも起こります。Dienstleistungs-Service,、Ausstellungsexponat、Neurenovierung、Augenoptikerなどもそうです。Turteltaube(コキジバト)というのもそうで、Turtelがラテン語のturtur(Taube)から来ているのですから、ハトハトということでしょか。


3 冠飾句の勉強


seinで結ぶことができる要素には、次のような関係がある。

1. Das Geschenk ist schön. ---> Das schöne Geschenk.

2. Der Film ist sehr interessant. ---> Der sehr interessante Film.

3. Das Haus ist nicht so groß. ---> Das nicht so große Haus.


ただし、後ろに来るものが形容詞でない場合には、そのようなことは出来ない。

4. Der Fahrstuhl ist außer Betrieb. ---> *Der außer Betrieb Fahrstuhl.
5. Der Mann ist Student. ---> *Der Student Mann.


この4.と5.の場合に非文法になるのは、品詞の問題ではなくて、名詞の直前の要素が活用していないのが原因かと考えられる。1. 2. 3. の場合には、屈折の印の、e がついている。たとえば動詞であっても、分詞形にすることによって屈折が可能になり、これにより、次のように結びつけることができる。

6. Der Mann hilft dem Mädchen. ---> Der dem Mädchen helfende Mann.

7. Der Mann liest das Buch ---> Der das Buch lesende Mann.

8. Das Buch ist zu lesen. ---> Das zu lesende Buch.


さらに受動態の場合にも、次のような結合が可能になる。

9. Das Buch wird gelesen. ---> Das gelesene Buch.

10. Die Stadt wird zerstört. ---> Die zerstörte Stadt.

受動の場合には、 Das Buch ist gelesen.が元になって、das gelesene Buch が派生されると考える立場もあるが、 *das gelesen werdende Buch というのがそもそも非文法となるのは、名詞句の中に態をあらわす表現を入れることができないという文法上の制約であると思われる。たとえば、Entwicklung は、entwickeln, sich entwickeln, entwickelt sein のそれぞれの意味を持ちうるのも、名詞句の中では能動、受動、中動の区別が出来ない現れである。

6,7,8,と、9,10を比べて分かることは、能動文の主語を修飾する場合には、現在分詞( der das Buch lesende Mann) 、能動文の目的語を修飾する場合には、過去分詞(das gelesene Buch)となることが分かる。しかしながら、seinによって完了形を作る一連の同士の場合にはこの規則が当てはまらない。

11. Die Sonne ist untergegangen. ---> Die untergegangene Sonne.
12. Der Gast ist angekommen. ---> Der angekommene Gast.

このように、sein支配の動詞の場合には、istの関係に基づいて、形容詞と同じように過去分詞を用いることができる。6,7,8と区別が必要である。


上で見てきたのは、冠詞と名詞の間に複雑な修飾要素が来る例である。これを冠飾句と呼んでいる。

4. 受動態

あたりまえのようですが、助動詞は受動化できません。

(1) Er kann sie besuchen. *Sie wird besuchen gekonnt.
(2) Er sieht sie kommen. * Sie wird kommen gesehen.

なお、dass文・不定句を目的語に取る動詞は受動化可能です。
(3) Ich beauftragte ihn, dass er mich vertritt.
(4) Er wurde von mir beauftragt, mich zu vertreten.
(5) Ich lehnte es ab, ihn zu vertreten.
(6) Es wird (von mir) abgelehnt, ihn zu vertreten.

sein支配の動詞も受動化できません。

(7) *Seinem Freund wird begegnet.
(8) *In den Wald wurde geraten.

再帰形つきの動詞もだめです。

(9) *Sich wird genützt.
(10) Auf sich wird geachtet.


不定句を目的語にする場合には受動可能と書きましたが、次のように、不定句の意味上の主語が、主文の主語か目的語のどちらかになる場合(この場合「制御」という用語を使います)には、主文主語によって意味上の主語が制御される場合には非文法的になるとされています。

(11)Ich verspreche dir, pünktlich zu kommen.
(12)*Dir wird versprochen, püktlich zu kommen.
(13) Ich empfehle (es) dir, pünktlich zu kommen.
(14) Dir wird (es) empfohlen, pünktlich zu kommen.


行為者をあらわす、von NP, durch NP は、同時に現れることがある。

(15) Ich wurde von meinem Freund durch einen Boten verständigt.
(16) Das Schiff wurde von einem Flugzeug durch Bomben zerstört.

5. 不定詞句

不定詞句を目的語のように取るが、zuを必要としない動詞は?

dürfen, können, mögen, müssen, sollen, wollen, werden, bleiben(Er bleibt stehen), lassen, fühlen, hören, sehen, spüren.


ある言い回しではzuを必要としないのは?

Er hat sein Auto vor dem Haus stehen.
Die Spannung macht ihn zittern.
Er fand sie auf dem Boden liegen.
Er legt sich schlafen.
Sie schickt die Kinder schlafen.
Er geht schwimmen. (fahren/kommen)


zu の選択が義務的でないもの。

Er hat Geige spielen gelernt.
Er hat gelernt, sich zu beherrschen.


Er lehrt sie Klaver spielen.
Sie hat ihn gelehrt, das zu begreifen.


Wer hat dich das tun heißen?
Wer hat dich geheißen, das zu tun?


zu不定句が必ず内置されなければならないもの

Er hat das nicht zu machen brauchen.
*Er hat nicht gebraucht(brauchen), das nicht zu machen.


代替不定詞を使うもの

düürfen, können, müssen, mögen, sollen, wollen, brauchen, lassen, heißen, fühlen, hören, sehen, spüren...

(brauchenは zu が随意的、heißenは、zu不定句を外置すると、zuが現れる。bleibenはないことに注意)

habenの位置に注意

Er ärgert sich, weil er das Buch hat liegen lassen.
Er hat gesagt, dass er hat nach Hause fahren müssen.
Ich weiß nicht, ob er wird Wort halten können.

6. 制御


zu不定句目的語の意味上の主語は、主文の主語か、目的語と一致する場合が大半である。
まず、 Ich habe ihn beauftragt, die Briefe abzuholen. のばあには、ihn が意味上の主語となる。このタイプの動詞には、次のものがある。

abhalten
anflehen,
anhalten
anklagen
anleiten
anregen
anspornen
anstiften,
antreiben
anweisen
auffordern,
aufhetzen,
aufrufen
ausersehen
beauftragen
beneiden
berechtigen
beschuldigen
beschwören
bestärken
bewegen
bitten
drängen
einladen
ermächtigen
ermahnen
ermutigen
ersuchen
gewöhnen
hindern
mahnen
nötigen
überführen
überreden
veranlassen
verleiten
verpflichten
warnen
zwingen


目的語と一致するが、それが与格の場合には、次のものがある。

abraten
angewöhnen
anheimstellen
auftragen
befehlen
bescheinigen
einschärfen
empfehlen
erlassen
erlauben
ermöglichen
freistellen
gestatten
gönnen
nahelegen
raten
telegraphieren
überlassen
untersagen
verbieten
versagen
vorwerfen
zuflüstern
zumuten
zuraten
zurufen


前置詞句目的語内のNPが制御するのは、

dringen: Er dringt in mich, mitzukommen. (意味上の主語はmichと一致)
appellieren: an j4 appellieren,
einwirken: auf j4 einwirken.


意味上の主語が特定できない場合

anordnen
anweisen:Das Ministerium hat angewiesen, die Renten schon am 25. auszuzahlen.
befürworten
eintreten
empfehlen:Der Arzt empfiehlt, nicht zu rauchen.
plädieren
polemisieren
protestieren
verfügen


次のような変な対比もある。

Ich rühme mich, das zu können.
*Ich rühme ihn, das zu können.
Ich rühme ihn, dass er das kann.


制御は、目的語の不定句の意味によって変わる。

Ich habe ihr angeboten, die Kette zu bezahlen. (Subj)
Ich habe ihr angeboten, bei mir zu wohnen. (Obj)

Er verlangte von mir, den Schüler zu sehen. (Subj)
Er verlangte von mir, den Schüler zu bestrafen. (Obj)

Ich bitte ihn, zu kommen.(Obj)
Ich bitte ihn, gehen zu dürfen.(Subj)

Er drängt mich, mitzufahren. (Obj)
Er drängt mich, mitgenommen zu werden. (Subj)



7. Weihnachtenについて

Weihnacht、 Weihnachten(複数)、Weihnachten(単数)といくつかのバージョンが使われていて、混乱しているので、ここでDudenの記述を元に、簡単に説明を書いておきます。私自身はほとんど複数形でしか使っていなかったと思っています。

まずこのような混乱が起こったのは、歴史的な理由があります。
本来Weihnachtenは、複数与格の形が固定したものでした:(中高ドイツ語) ze wihen nachten (i の上には横棒が入ります)。これが単数形の主格だと解釈されてしまったのが事の起こりです。


まず Weihnachtから:
この女性形は、たまに使われます: Ich wünsche dir eine frohe Weihnacht.(frohe Weihnachten もOK)。キリスト教にかかわる表現や、zu Weihnacht という表現で使われる。

Weihnachtenについて:
標準語では、中性・単数とみなされている。例: Es war ein schönes Weihnachten.
しかし、無冠詞で使われることが多く、これが複数形かどうかよくわからない原因であると思われる。使われ方にも違いがあり、次のような言い方は普通しない。主語で使われるときは、単数、無冠詞がふつうです。

(1) *Die Weihnachten waren anstrengend.
(2) *Das Weihnachten war anstrengend.

つまり、主語や目的語に現れないので、単複の違いが意識されていないようだ。(1)、(2)を表現する場合には、合成語を使うのが一般的である。

(3) Die Weihnachts[feier]tage waren sehr anstrengend.
(4) Das Weihnachtsfest wird in diesem Jahr sicher schön werden.


しかし次のような言い方はOK。

(5) Weihnachten ist längst vorbei.(無冠詞であることに注意!)
(6) Weihnachten steht vor der Tür.

南のほうの方言(スイス・オーストリア)では、複数形として認識されている。

(7) nach den Weihnachten
(8) Ich werde diese Weihnachten in Berlin verleben.
(9) Nächste Weihnachten werde ich nicht zu Hause bleiben. (Dudenによれば、 Nächstes Jahr Weihnachten / zu Weihnachten の表現の方がいいらしい)


また、お祝いの表現の時には、複数が普通。(私もこれで複数形だと思っていた)

(10) Fröhliche Weihnachten!
(11) Weiße Weihnachten sind zu erwarten.



8.Apposition(同格)について

この項は、Sprachpflege und Sprachkultur 4/1991 S.116- を元にしています。 同格というのは、それが修飾する要素(Bezugswort)と同じものを指すという特殊な付加語である。

Goethe, einer der größten deutschen Dichter, wurde am 28. August 1749 geboren.

同格は、名詞とか名詞の句として現れ、削除可能であり、それが修飾している要素(非修飾語)の代わりにもなる。この非修飾語と同格の関係は、述語の関係とも捉えられる。

Goethe ist einer der .

意味の関係には次のようなものがある。
1. 同定: mein Nachbar, der Mathematiklehrer deines Sohnes, ...
2. 分類: der Gast, ein Tourist aus Deutschland
3. 評価:Anton, der Versager, ...

一般に同格は、格において一致する。

das Leben Einsteins, des Begründers der Relativitätstheorie, ...

しかし、主格の場合がある。これを狭義の同格(enge Apposition)と呼んでいる。これに入るのは、
1. 名前(Vorname)
2. 冠詞無しの肩書き
3. 職業や、親戚関係の名称


9 erstere -- letztere について


  次のようなドイツ語がある。  Sie besaß ein Haus in der Stadt und eins auf dem Lande. Ersteres (あるいはJenes) hatte sie gekauft, letzteres(あるいはdieses) war ihr durch Erbschaft zugefallen. 彼女は町に家をひとつ、田舎にもひとつ持っていた。前者は購入したものであり、後者は遺産として手に入ったものである。

   この erstere, letztere は一見比較級のようであるが、二つのものの近い・遠いを指すに過ぎない。ゆえに次のような形でも使われる。
   Die Erstere war barhäuptig, der Letztere trug eine Pelzmütze.  前者(の女性)は、無帽で, 後者(の女性)は、毛皮の縁なし帽をかぶっていた。


10. 代名詞を先行詞とする関係代名詞

 ドイツ語では、代名詞も関係節がつくことがある。ただしあまり数はない。 es には関係節はつかない。

  例: Was haben wir, die wir doch nie da waren, damit zu tun? われわれは、それと何の関係があるというのか、そこにはいなかったのだし。
  例: Und ich, der ich im Leben nicht daran gedacht habe, soll nun auch hineingezogen werden? そして、人生においてそんなことをかんがえたこともなかった私は、果たしてそのことに巻き込まれるべきなのだろうか。



11. 雑誌名の冠詞について

 一般に雑誌や本のタイトルには、'Der Spiegel'などのように、冠詞がつけられている。
まず引用するときには、» « で囲んだりするのが普通である。 とても有名なものは、Goethes Faust のように引用符をつけないものもある。 さらに、冠詞を外に出す場合もある。一つは、 Er lest immer den »Spiegel«. や、 タイトルに形容詞をつける場合 (Ich lese immer den interessannten »Spiegel«. などである。なお、次のように言うことは可能である。 1947 hatte er das Nachrichtenmagazin 'Der Spiegel' gegründet.



12. in〜 ankommen について
 ankommenは移動を表している。ゆえに、seinで完了形を作る。移動を表すときには、inの後が対格になることが多い。たとえば、die Eier kommen in den Kühlschrank. などのように。ところが、ankommen の時には、「到着して、その場にいる」と言うことに視点が行くので、与格となる。 Er ist in der Stadt angekommen. このことは、他の場合にも当てはまる。特に「消失・出現」を表すときには、与格が登場するので、注意しなければならない。 Die Maschine ist in den Wolken verschwunden. 「飛行機は雲の中に消えた」 これも消失なので、inの後が与格となる。対格でもいいのではないか、と思うとしたら、それはドイツ語の感覚ではないようだ。


13. an (対格・与格) klopfen について

 先の12と同じような問題であるが、「戸をたたく」という場合に、たたくのは動作であるから、手が戸に向かっていくので、an die Tür klopfen と、 anの後が対格になることが普通のように思われるが、実はそうではない。 キツツキが、幹をつつくのは、確かに動作がはっきりしているので、 Der Specht klopft mehrere Male an den Stamm der Kiefer. とすることが普通であるが、「どこ(wo)」ということを聞きたいとき、知りたいときには、「an 与格」が用いられる。キツツキの例でも、つつく動作ではなくて、どこをつつくのか、ということであれば、Der Specht klopft am Stamm der Kiefer. となる。どちらもOKなので、実際にどちらも例も見ることがある。ただ、その動作が意図的である(なにかをするために、行っている)ならば、対格が普通である、というのがDuden の説明である。

Der Vorsitzende klopfte an sein Glas, um eine Rede zu halten. 議長は話を止めるために、グラスをたたいた。
Der Weihnachtsmann klopft zur Bescherung an die Tür. サンタクロースはプレゼントをあげるためにノックした。

サンタクロースのれいは、「入れてくれ」という意図がある場合であり、この場合には対格になる。だから、「誰がノックしているのか?(誰が入れてくれと言っているのか?)」という場合には Wer klopft an die Tür? であるが、「誰かがノックしている」という場合には、音がする、ということだけなので、 Es klopft an der Tür. と与格になる。


14. Kanzlerkandidatin なのか、Kanzlerinkandidatin なのか

どちらでも言いようです。呼びかけは、Sehr geehrte Frau Bundeskanzlerin! とのことです。


15. コンマは正しい? Ich komme Montag, den 2. April, an.

二つめのコンマは入れません。曜日の後ろには入れることになっています。これはMontagと、den 2 が同じ「日」のことのなので、コンマで並べていると思えばいいでしょう。


16. 複数形で注意することはありますか?

いろいろありますが、まず外来語の場合には、意外な形もあるので、注意しましょう。Pizza, Espresso は、 Pizzas, Espressos ですが、 Pizzen , Espressi も正しい。Kontoの複数形は Konten /Konti があります。発音で注意するのは、アクセントが移動するものです。 Doktor - Doktoren, Autor--Autoren, Direktor--Direktoren の場合はアクセントが後ろに移ります。注意しなければならないのは、「ステータス」を表す Status で、複数形は同形ですが、アクセントは後ろになり、uを長く読むことに注意しましょう。


17. 「50過ぎの人々」」はなんて書くの?

形容詞の格変化を使います。もちろん、diejenigen, die über fünfzig sind. が簡単ですが。 die über Fünfzigjährigen / die über 50-Jährigen となります。 *Über-Fünfzigjährigen にはなりません。

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